新作『04 -zero quattro-』 for JAPAN LEATHER AWARD 2010 [革・鞄(produzioni, pelle)]
前の日記で、その工程のドタバタぶりを紹介したコンテスト向けバッグをアップします
そのコンテストとは、日本皮革産業連合会が主催する『JAPAN LEATHER AWARD 2010』。
かなり大きなコンテストで、作品の個性や使いやすさ、完成度はもちろんのこと、販売戦略、価格設定、量産体制あたりまでたぶん問われているような気がする。
詳細はこちら。
2年前から始まったコンテストのようで、入賞作品はパリでの展示もあったり、11月には「日本の革」という雑誌に大きく扱われているコンテスト。
そして今回から「エコレザー賞」というカテゴリーが新たに加わったようで、究極のエコレザー姫路白なめし革を使ってきたボクとしては狙わずにはいられない賞。
もちろんハードルは半端なく高いので、可能性は極めて低いが、ゼロではない。
白なめしの新敏製革所さんからの要請もあったので、「エコレザー賞」に照準を合わせ、白なめし革をメインに使うことにした。
白なめし革に組み合わせる革は、当初は家にある革を使おうと思ってたんだけど、デザインや革の配置を細かく決めてくうちに、「在庫の革では納得のいく組み合わせが出来ない」と、急きょ革を探すことに・・・。
そこで白羽の矢が立ったのが、エコレザー認定されている山口産業さんの「RUSSETY(ラセッテー)」という革。
締切り1週間前というギリギリな状況で、自転車で山口産業さんに向かい、革の色や風合い、硬さなどを見極めて、2種類の革を購入。
白なめし革とラセッテー・・・・つまり100%エコレザーを使ったバッグということになる。
そしてこれらの革の組み合わせをさらに調和させる新たな素材を今回初めてアクセントで使ってみた。
それがビッグウィル社さんの『樹のシート』。
3月上旬のNIPPON MONO ICHIで出会ったばかりの素材。
樹の種類は色の濃いウォルナットにしてみた。
これらの素材を使って今回作った新作、『 04 -zero quattro- 』です。
なぜ『04 -zero quattro-』という名前にしたかというと・・・・
白なめし革を使ったバッグをこれまで3作作ってきて、ボクの中で業務的な「白なめしバッグNo.02」などという仮の名前を付けていた。
つまり今回のバッグは「白なめしバッグNo.04」。
またイタリア修行時代、会社で主に使っていた(そしてボクも今メインで使ってる)芯材の厚さが0.4mm。
芯材の型紙にはいつも「04(zero quattro)」と書いていたし、社長とのやり取りでもよく「この芯材は04(zero quattro)で・・・」などと話してたこともあり、『04(zero quattro)』という響きが妙に心地よかった。
そんな理由でこんな名前を付けちゃったけど、まあ名前は別に重要じゃないので気にせずに・・・・。
こうやって写真で見てみると、上の曲線のラインの左右の端の方を直線気味にしたつもりだったんだけど、思ったよりもちょっと垂れ下がったイメージになっちゃったかなぁ
端をあと2~3mm上げて、より直線気味にしたかった・・・。
あと、写真だと白なめし革のナマっぽい表情を伝えづらいなぁ
今回初めて使った樹のシートはここでアクセントとして使いました。
他の場所でも小さく使ってます。
で、このバッグの大きな特徴が、サイドのファスナー。
四隅に付いていて、いちおう基本ポジションは半開き状態で、中(といっても実は外側)のストライプ柄の布をチラ見せさせる感じがベストポジションかなぁと・・・。
このファスナーを全開にすると、中がさらに広くなるので、バッグがパンパンになるぐらい荷物を入れなければならないような時には重宝します。
いちおう全開にしても強度的には問題ないように作ってます。
ちなみに上まで閉じて、全体的にシャープなイメージにするのもいいでしょう。
バッグ上部はこんな感じ。
ファスナーに沿って、厚めの芯材を足してデザイン的に見栄え良くするとともに、ファスナーが開閉しやすい「コシ」を出しました。
が、これを付けたおかげで、ABALLIブランドネームプレート(樹のシート製)が見えづらい位置になっちゃった
ちなみに「持ち手」は(上の写真のように)簡単に下に向けることが出来るので、コインロッカーなど上下に狭いスペースに入れるときにも持ち手が引っ掛かりません。
でも最初の写真などでは持ち手はちゃんと立っていましたね・・・?
なぜかというと・・・・
この部分にマグネットを内蔵(見た目には全く分かりません)しているので、持ち手を立てればピタッとくっつき、外せば簡単に下に垂れます。
またこの持ち手は、ギボシ金具で簡単に(なおかつしっかり)取り付いてるので、簡単に交換出来ます。
ボクの作るバッグはほとんどが持ち手を簡単に外せるようにしてるのですが、それはユーザーの好みや使い勝手、身長などに合わせられるよう、持ち手を交換して長さを変えたりしやすくするためです。
バッグの中はこんな感じです。
といってもこれじゃ見えづらいと思うので、縫い合わせる前の段階の写真をお見せします。
片面上部の大小二つのポケットと、両面下部の簡易ポケット。
さらに・・・・
ペンホルダー2つと名刺が入るサイズのマルチホルダー。
ここにも樹のシートを使ってます。
表向きには見えないけど、実はポケットの中は・・・・
(ちょっと写真じゃ分かりづらいけど)茶色地の別の生地を使ってたりしてます。
まあ遊び心というか・・・・
実は白地の布が足りなくなって、苦肉の策だったんだけど、こっちの方がいいですよね?
外に戻りまして・・・
底、およびサイド下部はこんな感じです。
ワイン色っぽい茶色の「ラテッセー」がなかなか高級感あります。
この革の色に合うように、金具類は基本的に真鍮色にしてます。
金やニッケルなどの光沢感のある金具だと、ギラつき過ぎてエコレザーの風合いに合わないので、真鍮っぽい色の方がバランスいいかな?ということで・・・。
さて、前の日記でそのドタバタの主役になった、付属品2つがこちら。
右は携帯電話ホルダーです
さて左は一体何でしょう??
・
・
・
・
正解は・・・
折りたたみ傘ホルダーです
この2つのオプションパーツは、バッグ本体の内側両サイドのギボシ金具に簡単に取り付けられます。
そう、つまり・・・
いろんなオプションが考えられるってことです
このように、ユーザーの様々な要望に対応できるバッグというのが、今回のコンセプトの一つだったのです。
前の日記でも書きましたが、大きめのサイズで、しかもファスナーを5本も使ってる割には、結構軽く仕上がりました。
本体のみで1063g、肩ベルト込みで1187g、そして付属品も付けると・・・・
そこまで計量する時間がなかった
大きさは、B4サイズが入ります。
サイドファスナーを全開にすれば、B4用角0封筒も入るかと・・・。
寸法は・・・・
これも計測する時間がなかった~
というか、し忘れた~
いちばん大事なお値段は・・・・
とりあえず¥97,000ということで申請しましたが、あくまで予定価格です。
ちゃんと商品化するときにちゃんと決めておきます。
まあ大きく変動することはない・・・・というか、このお値段でいくつもりですが・・・。
秋までには商品化したいと思っております。
よろしくお願いいたします(なぜそこだけ口調が強い)
そのコンテストとは、日本皮革産業連合会が主催する『JAPAN LEATHER AWARD 2010』。
かなり大きなコンテストで、作品の個性や使いやすさ、完成度はもちろんのこと、販売戦略、価格設定、量産体制あたりまでたぶん問われているような気がする。
詳細はこちら。
2年前から始まったコンテストのようで、入賞作品はパリでの展示もあったり、11月には「日本の革」という雑誌に大きく扱われているコンテスト。
そして今回から「エコレザー賞」というカテゴリーが新たに加わったようで、究極のエコレザー姫路白なめし革を使ってきたボクとしては狙わずにはいられない賞。
もちろんハードルは半端なく高いので、可能性は極めて低いが、ゼロではない。
白なめしの新敏製革所さんからの要請もあったので、「エコレザー賞」に照準を合わせ、白なめし革をメインに使うことにした。
白なめし革に組み合わせる革は、当初は家にある革を使おうと思ってたんだけど、デザインや革の配置を細かく決めてくうちに、「在庫の革では納得のいく組み合わせが出来ない」と、急きょ革を探すことに・・・。
そこで白羽の矢が立ったのが、エコレザー認定されている山口産業さんの「RUSSETY(ラセッテー)」という革。
締切り1週間前というギリギリな状況で、自転車で山口産業さんに向かい、革の色や風合い、硬さなどを見極めて、2種類の革を購入。
白なめし革とラセッテー・・・・つまり100%エコレザーを使ったバッグということになる。
そしてこれらの革の組み合わせをさらに調和させる新たな素材を今回初めてアクセントで使ってみた。
それがビッグウィル社さんの『樹のシート』。
3月上旬のNIPPON MONO ICHIで出会ったばかりの素材。
樹の種類は色の濃いウォルナットにしてみた。
これらの素材を使って今回作った新作、『 04 -zero quattro- 』です。
なぜ『04 -zero quattro-』という名前にしたかというと・・・・
白なめし革を使ったバッグをこれまで3作作ってきて、ボクの中で業務的な「白なめしバッグNo.02」などという仮の名前を付けていた。
つまり今回のバッグは「白なめしバッグNo.04」。
またイタリア修行時代、会社で主に使っていた(そしてボクも今メインで使ってる)芯材の厚さが0.4mm。
芯材の型紙にはいつも「04(zero quattro)」と書いていたし、社長とのやり取りでもよく「この芯材は04(zero quattro)で・・・」などと話してたこともあり、『04(zero quattro)』という響きが妙に心地よかった。
そんな理由でこんな名前を付けちゃったけど、まあ名前は別に重要じゃないので気にせずに・・・・。
こうやって写真で見てみると、上の曲線のラインの左右の端の方を直線気味にしたつもりだったんだけど、思ったよりもちょっと垂れ下がったイメージになっちゃったかなぁ
端をあと2~3mm上げて、より直線気味にしたかった・・・。
あと、写真だと白なめし革のナマっぽい表情を伝えづらいなぁ
今回初めて使った樹のシートはここでアクセントとして使いました。
他の場所でも小さく使ってます。
で、このバッグの大きな特徴が、サイドのファスナー。
四隅に付いていて、いちおう基本ポジションは半開き状態で、中(といっても実は外側)のストライプ柄の布をチラ見せさせる感じがベストポジションかなぁと・・・。
このファスナーを全開にすると、中がさらに広くなるので、バッグがパンパンになるぐらい荷物を入れなければならないような時には重宝します。
いちおう全開にしても強度的には問題ないように作ってます。
ちなみに上まで閉じて、全体的にシャープなイメージにするのもいいでしょう。
バッグ上部はこんな感じ。
ファスナーに沿って、厚めの芯材を足してデザイン的に見栄え良くするとともに、ファスナーが開閉しやすい「コシ」を出しました。
が、これを付けたおかげで、ABALLIブランドネームプレート(樹のシート製)が見えづらい位置になっちゃった
ちなみに「持ち手」は(上の写真のように)簡単に下に向けることが出来るので、コインロッカーなど上下に狭いスペースに入れるときにも持ち手が引っ掛かりません。
でも最初の写真などでは持ち手はちゃんと立っていましたね・・・?
なぜかというと・・・・
この部分にマグネットを内蔵(見た目には全く分かりません)しているので、持ち手を立てればピタッとくっつき、外せば簡単に下に垂れます。
またこの持ち手は、ギボシ金具で簡単に(なおかつしっかり)取り付いてるので、簡単に交換出来ます。
ボクの作るバッグはほとんどが持ち手を簡単に外せるようにしてるのですが、それはユーザーの好みや使い勝手、身長などに合わせられるよう、持ち手を交換して長さを変えたりしやすくするためです。
バッグの中はこんな感じです。
といってもこれじゃ見えづらいと思うので、縫い合わせる前の段階の写真をお見せします。
片面上部の大小二つのポケットと、両面下部の簡易ポケット。
さらに・・・・
ペンホルダー2つと名刺が入るサイズのマルチホルダー。
ここにも樹のシートを使ってます。
表向きには見えないけど、実はポケットの中は・・・・
(ちょっと写真じゃ分かりづらいけど)茶色地の別の生地を使ってたりしてます。
まあ遊び心というか・・・・
実は白地の布が足りなくなって、苦肉の策だったんだけど、こっちの方がいいですよね?
外に戻りまして・・・
底、およびサイド下部はこんな感じです。
ワイン色っぽい茶色の「ラテッセー」がなかなか高級感あります。
この革の色に合うように、金具類は基本的に真鍮色にしてます。
金やニッケルなどの光沢感のある金具だと、ギラつき過ぎてエコレザーの風合いに合わないので、真鍮っぽい色の方がバランスいいかな?ということで・・・。
さて、前の日記でそのドタバタの主役になった、付属品2つがこちら。
右は携帯電話ホルダーです
さて左は一体何でしょう??
・
・
・
・
正解は・・・
折りたたみ傘ホルダーです
この2つのオプションパーツは、バッグ本体の内側両サイドのギボシ金具に簡単に取り付けられます。
そう、つまり・・・
いろんなオプションが考えられるってことです
このように、ユーザーの様々な要望に対応できるバッグというのが、今回のコンセプトの一つだったのです。
前の日記でも書きましたが、大きめのサイズで、しかもファスナーを5本も使ってる割には、結構軽く仕上がりました。
本体のみで1063g、肩ベルト込みで1187g、そして付属品も付けると・・・・
そこまで計量する時間がなかった
大きさは、B4サイズが入ります。
サイドファスナーを全開にすれば、B4用角0封筒も入るかと・・・。
寸法は・・・・
これも計測する時間がなかった~
というか、し忘れた~
いちばん大事なお値段は・・・・
とりあえず¥97,000ということで申請しましたが、あくまで予定価格です。
ちゃんと商品化するときにちゃんと決めておきます。
まあ大きく変動することはない・・・・というか、このお値段でいくつもりですが・・・。
秋までには商品化したいと思っております。
よろしくお願いいたします(なぜそこだけ口調が強い)
2010-04-02 00:36
nice!(1)
コメント(10)
トラックバック(0)
素敵ですね!!!
色あいが、素晴らしいです!!
メンズなんですよね?
こんなバッグを持っている人を見かけたら
ついていってしまいそう〜........。
私のが楽しみになってきました!!
by ピアピア (2010-04-02 01:19)
ほんまにNice !!
欲しいけど、高くて買えない・・・今は…
いっぱい働いて、きっと買うからね!~を、目標に生きて行こう!!
Award、ゲット出来るよう、祈ってます☆
by Shoko (2010-04-02 06:23)
量産できることを祈ってるよ。
もう少し安くなれば、彼氏に持たせる^^;
by はるし (2010-04-02 12:04)
☆ピアピアさん
3色の革、思った以上にいいバランスでした☆
特に白なめしと赤茶色の革の相性が絶妙でした。
いちおうメンズ・・・って思ったんだけど、女性も持てる、一回り小さいサイズも商品化の際には展開したいと思ってます。
☆Shokoっぺ
量産できる環境があれば、もう少し安く出来るんだけどねぇ~(^_^;)
実際どこかのお店に置いてもらうと、売値の半分ぐらいもってかれちゃうしね(-_-;)
秋までには商品化しようと思ってるよ♪
☆はるしちん
せめてもう1台ミシン置くお金とスペースがあれば・・・もう少し作りやすくなるんだけど・・・(^_^;)
う~ん、あと1畳作業スペースが欲しい・・・
by 加ト (2010-04-02 22:05)
いつもmixiでお世話になってます、マユマユです。
思わず「おお~!」と感心するアイディア満載で素晴らしいバッグですね!
世の中に出回っている数十万円のブランドバッグよりも価値ある
お宝バッグになると思いますよ(^^)
by Mayu (2010-04-02 22:45)
めっちゃこってていいですね!
サイドのチラみせストライプとか、オプションとか、
樹のシートとか最高ですね☆
是非入賞できますように!!!
by きゃんちゃん (2010-04-03 11:27)
☆Mayuさん
ボクのバッグの特徴は、小ネタ的なアイデアをちょこちょこ散りばめてるのが特徴なんだけど、今回は今までの小ネタの集大成って感じにしました♪
ブランド物の数十万円のバッグは、確かに作りはすごいと思うんだけど、数十万円ほどの価値が果たしてあるのかどうか・・・。
コストパフォーマンスは決して負けてないと思っています(^_^)
☆きゃんちゃん
イタリア修行おつかれさま(^o^)
おかえりなさい☆
「チラ見せ」って、男心をくすぐるよね~♪
樹のシートは今後もいろんなところで使っていこうと思ってるよ。これ使うだけで見栄えが全然違って見えるもん☆
入賞・・・難しいけど、できるといいなぁ(^_^;)
by 加ト (2010-04-03 12:11)
すごくいいね☆☆☆
by mayura (2010-04-04 03:07)
読んでて胸が熱くなってきました。
すごいですね。
オプションパーツもとてもいい感じですね。
by 田村 (2010-04-05 06:40)
☆mayuraね~さん
いいでしょ~?☆☆☆
量産するにはいろいろと課題が・・・(^_^;)
☆田村さん
ファッションに携わってる田村さんからそう言っていただくと、うれしい限りです!(≧▽≦)
オプションパーツ、今後いろいろ考えなきゃなりません(^_^;)
by 加ト (2010-04-07 18:48)