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JAPAN LEATHER AWARD審査とその課題 [革イベント]

今日はボクも出品したJAPAN LEATHER AWARD 2011の一般展示および審査会があったので、会場の六本木アークヒルズのARK HiLLS CAFEに顔を出してきました。

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ボクは出品者なのでもちろん投票はしません。
審査会は明日がメインなのですが、今日でもOKということで、一般審査員の方が多くいらっしゃいました。

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今回のアワードはWeb投票というのも初めて行われたわけですが、パソコンの画面上で見るのと、実際目で見て手で触ってみるのとはやはり違います[ぴかぴか(新しい)]

やはりこういうものは実物を見て判断するべきだなと感じました。
各作品それぞれにこだわりがあって、素敵な作品が多かったです[ぴかぴか(新しい)]

 

ただ、審査ということを考えたとき、「これはどうなんだろう?」と思うことがいろいろありました。
それは今日明日の審査会だけに限ったことではなく、Web投票も含めて、改善した方がいいのでは?と思う事が多々ありました。

 
ボクはこういうブログとかで何かの批判とかするのは好きではないのですが、不景気で低迷している革業界がよりよい方向に向かってほしいので、あえてボクの意見を述べたいと思います。

 
     *********************

 
このJAPAN LEATHER AWARDは今回が4回目になるのですが、今までは審査員は有名店のバイヤーのみでした。
つまり100%バイヤー目線での審査だった訳です。

ボクはこれに昨年ブログで異論を唱えました。
(まあボクが主催者な訳ではないので、あくまでボクの意見ですが・・・)
コンテストというものはそもそも、その業界が活性化するため、新しい可能性を探るため、若手に目標を与えるためなどにあるものだと思っています。
いま売れそうなもの、もうすぐ流行りそうなものだけを評価するようなコンテストをやっても、流行を追うばかりで流行を作り出す業界にはならないと思うのです。

そんなことを昨年ブログに書いて指摘したのですが、ひょっとしてその意見が主催者に届いたのかどうかは不明なのですが、今回は大きく改善されました[ぴかぴか(新しい)]

審査員がバイヤー100%ではなく、多方面の方々いろんな視点から審査するようになったようです。

↓このページの下の方に掲載されています↓
http://award.jlia.or.jp/2011/news/110928_1.html

日本の革業界が、世界に向けて新しいものを発信するという事を考えた場合、以前よりもいい審査方式だなとボクは思います[ぴかぴか(新しい)]

 
ただ、今回から新たにWeb投票一般審査という2つの審査が新たに加わりました。

一見すると、よりいい審査になりそうな感じがするし、ボクもそれに期待したのですが・・・

フタを開けてみると必ずしも良いとは言えないことが分かりました。

 
まずtwitterFacebookによるWeb投票なのですが、どう見ても票の入り方が不自然なのです。

各作品、平均10〜20票台ずつぐらい入っているのですが、数作品だけありえないぐらい突出してるのです。
facebook票でMAXの1000票まで達している作品が2作品ありました。
どう考えてもその投票した人が、他の作品も見て全体の中で「これがいい」と投票したとは思えません。
実際その作品の作者のブログやツイッターを見てみると、案の定「どうか自分の作品に投票を!」みたいな書き込みと、自分の作品投票ページに直に行くリンクが貼られてます。

まあ気持ちは分からないでもないけど・・・

ボクが賞を狙うなら、客観的な審査の元に全体の中で一番評価が高いと認められたい。
そういう賞を取りたいと思っています。

だから今回は敢えて賞を狙いませんでした。
イチバンになるだけの自分の準備ができていなかったし、アワードのいろんな基準もまだ納得出来てない部分があったからです。

日本の革業界を盛り上げていくためには、このアワードの場合、各出品者が業界全体のことを考えてモラルのある行動をとることが不可欠だと思います。
みんながまず第一に「JAPAN LEATHER AWRD」というコンテストの魅力、そして革の素晴らしさを一般のみなさんに伝えるために、自分の作品だけではなく、他の作品もみなさんに見てもらえるようなアピールのしかたをするべきではないかと思います。

そしてその中で客観的な審査の元に、各作者が競って素晴らしい作品を出品し続けていく事で、作家や職人達も「このアワードに出して賞を取りたい!」と思い続けるだろうし、魅力ある業界[ぴかぴか(新しい)]になっていくと確信しています。

 
話がちょっと逸れちゃいましたが、今日明日の一般投票にも問題がありました。

見やすさが作品によって大きな差があるのです。

プロのバッグ部門は上下2段の棚に展示されているのですが、明らかに上の段が高すぎる[exclamation]

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上の写真はボクが出品したエコレザー部門なのですが、エコレザー部門の上の段が全体の中で一番高い位置にあります[あせあせ(飛び散る汗)]
写真でも分かる通り、背の高めな男性の頭の高さぐらいです。
背の低めな女性だと、手も届かないのでは?と思ってしまうぐらいの位置。
どの人も自然と目は下の段にいっていました。
そりゃそうだ[ダッシュ(走り出すさま)]

まあでもライトがあたってる分、まだいい方です。

最悪なのはレディースバッグコーナーの下段の奥に展示されてる黒い作品[あせあせ(飛び散る汗)]

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上段の棚板の陰になってしまって照明が当たらないうえに、手前の作品の奥に展示され、しかもそれが黒い色の作品なもんだから、まったく目立たない[あせあせ(飛び散る汗)]

上の写真の左奥と右に写ってる作品もそうだけど、この壁の一番右端の奥の(写っていない)黒いバッグなんか、ほんと見ててかわいそうでした[もうやだ~(悲しい顔)]

しかも一般審査は各部門の好きな3作品を選ぶ形式のようで、そしたらそりゃ目がいきやすくて照明の当たった作品が優位に決まってるだろぉ〜[ダッシュ(走り出すさま)]

みんな同じように苦心して作った作品なのだから、公平に審査してもらえるような環境にしてもらいたいものです。

それと気になったことがもうひとつ・・・。
例のWebで1000票取った2作品が真ん中に並んで展示されている・・・
そんな偶然ってあるのか[exclamation&question]

 
アマチュア部門はスペースがあったためか、みんな同じ高さに展示されててよかったです。
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アマチュアのみなさんもプロレベルの素晴らしい作品を作ってきています[ぴかぴか(新しい)]
彼らの目標となり模範となるようなプロになりたいものです。

 

今回はなんだか愚痴のような日記になってしまいましたが・・・
決して公の場でこういう批判的な話をするのは好きではないのですが・・・[たらーっ(汗)]

でもWeb投票も一般審査も新しく試みたということはとてもいい事だと思います[ぴかぴか(新しい)]
新しくやった事は必ず問題点が出てきます。
つまり改善点を見つける事ができるのです。
だからこれはこれで大きな1歩だと思います。



いろいろグダグダ書いてしまいましたが、ボクの意見が一つの意見として主催者に届いて、他の意見とぶつかって・・・
アワードが年々より改善されてゆき、若手が競って出品したくなるようなコンテストとなり、みんなが切磋琢磨して、日本の革業界が日本のみならず世界から見ても魅力的な業界[ぴかぴか(新しい)]となって発展していってほしいし、その役目を担っているのは自分たちだと思っています。

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コメント 4

Tytto

いろいろ考えさせられますね。
当然ですが公平に審査されるべきだと思いますが、
全てにおいて、なかなかそうはいかないですよね。

個人的な意見ですが、
輝きを放っている作品は、どこにあっても目に着くと思います。
気になる作品だから、無意識のうちに目立つ場所に置きたくなったりね。
ソレに気付かないのであれば、残念ですが判断する方の意向に合わないだけです。
万人に評価されるモノを作りたいとか、技術を評価される作品を作りたいとか、時代の流れに添ったモノを作りたいとか、作者側の作品のアピールの仕方も色々だと思います。
と、あくまでも私の意見です。


by Tytto (2011-10-08 16:28) 

加ト

☆Tyttoさん
まあ全てが公平にってのは難しいんだけどね。
でさらに難しいのは、鞄や靴ってのは必ずしも輝きを放ってるものがイイ作品(商品)とは限らないという事。
バッグ単品では派手さや輝きはそれほどなくても、ファッションの一部となったときに、しっくり渋く輝くバッグってのもあるから、最低限、光は当たってほしいし、それなりの目線の場所に展示してほしいなと思うんです。

by 加ト (2011-10-09 12:04) 

ペレサッカ

はじめまして。
Japan Leather Awardを検索してたどり着きました。

Facebookで1000票を取ったうちの一人です。
私の個人的見解を是非お伝えしたくてコメントしました。
見解の仕方が違いすぎて勉強になりました。
是非、私の意見も聞いていただければと思います。
不愉快な思いをさせるつもりで書いているのではありません。
寛大な心でお読みいただければ幸いです。

今回、初めての応募でWeb投票も初めてで
確かに友人知人に広報をして票を頂きました。
ただ、そうすることでJapan Leather Awardの知名度が
少なからず上がったはずです。
その動きを応募者全員が必死になってやっていたらどうなったでしょう?

Japan Leather Awardの知名度は一気に広がっていると思います。
Web部門はもうひとつの1000票を獲得された方に
負けましたが、私とその方で少なくとも2000人以上の方に
広報しています。

そのご褒美としてWeb部門賞を頂いてもいいんじゃないかと
思ってます。
まぁ、考え方は人それぞれあるとは思いますが
私はこれを不公平というよりも
全員でこの取り組みをすることで
一般人への革への関心、興味、
Japan Leather Awardの認知度を上げて
業界全体の一般の方への入り口になればと
思っています。

同じ革業界に属しているものとして
考え方は違えど一緒にいいものづくりをして
いい業界に成長させていきましょう!
お互いがんばりましょうね。

失礼致しました。
by ペレサッカ (2011-11-04 22:27) 

加ト

☆ペレサッカさま

コメントいただきありがとうございます!
こういう対局の意見が欲しかったので、うれしいです!
そしてレディースバッグ部門賞おめでとうございます☆

さて、まずWeb部門賞のことですが、Web部門賞自体は賛成ですし、よりアワードを広めたという意味で必要な賞だと思います。
また考え方は違えど、より多くの人に広めることの大切さももちろん感じています。
あとは「どう広めるか」ということが考え方によって違ってくるのでしょうね。

「なんだか知り合いが革のコンテスト出してるみたい」程度に思われるか、「センスいい作品がいっぱいあって面白い革コンテストがやってる!」と思わせるかは、各出品者の力量に掛かってくると思います。

前者は一時的に認知はされても、すぐ忘れられてしまうのではと思います。他の作品を見てなければなおさらです。
1000人の人に後者のような想いを抱かせられたら、とてもすばらしい事だと思います。

そういう意味でもWeb部門賞は今後も継続して欲しいと思います。

ただ今回の場合、Web票が本審査へどういう風にカウントされるのかがはっきりしてませんでした。
例えば1000票の作品と10票の作品との差が、どう本審査へ加算されるのか。
Web票の割合が2割ということしか決まってなかったので、どうなるのだろう?と思いました。

いっそ、Web部門賞の賞金を上げつつ、本審査には加算しないというのもありかと思います。

実際、審査会場で各作品を見て、Webの写真のイメージとはだいぶ違うなと思った作品が多かったですよね?
素材の質感や触感、大きさなどが分からないWeb票は、本審査と切り離して考えるべきではないかとボクは思います。

と、ボクなりの意見を述べさせていただきましたが、正しいことはひとつではありません。
ボクの意見とペレサッカさんの意見、どちらも正しいかもしれないし、どちらも違ってるかもしれません。

大事なのは、同じ革業界を発展させるためにはどうすべきかという、それぞれの意見をぶつけ合って、より良い答えを見出してゆくことだと思います。

そういった意味で、今回コメントをくださったことをうれしく思いますし、ありがたかったです。

今後も同じ業界の向上を目指す者同士、がんばりましょう!


by 加ト (2011-11-05 00:30) 

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