Bellmexハンドプレス機で革裁断 [クラフト用オススメ品]
革の裁断は一点物や試作などは包丁で裁ちますが、量産物は基本的に抜き型を使ってクリッカー(プレス機)で裁断します。
ただこのクリッカーという物は、しっかりしたコンクリート土間に設置して水平を取らなければならない大きく重い機械。
つまり一般家庭になどとても置けるような物ではなく、アパート暮らしのボクには全く縁のない機械。
なのでボクは、講師をしてるアトリエ・アミーチさんや、近所のお世話になっている裁断屋さんでクリッカーをお借りして裁断しているのです。
でもそれって、革と抜型を持って行かなければならないし、いつでも出来るわけではない・・・
24時間、365日いつでも裁断出来るようにするには、家にも置けるぐらいのクリッカーと同様な物が必要な訳で、ボクのみならず多くの革作家さんがのどから手が出るほど欲しい物でしょう。
そんな機械を先月のレザーフェアの某ブースで見つけたので、帰ってからネットで調べてみました。
それは・・・
Bellmex(ベルメックス)社のハンドプレス機です
これは買いだということで早速ショールームに行ってみました。
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ベルメックス ショールーム
東京都中央区日本橋本町4-15-11三和ビル(旧市橋ビル)1F
TEL /03-3661-3311
E-mail /bellmex@kiwi.ne.jp
月曜日~金曜日:AM9:00~PM6:00
中に入るとすぐわかるところに置いてありました。
このプレス機の魅力は何と言っても小ささと安さ
【0.5トン】26×12×29cm 9.5Kg 5400円
【1トン】 29×14×35cm 15.5Kg 7700円
【2トン】 46×20×46cm 35.0Kg 15000円
【3トン】 46×23×63cm 67.0Kg 25000円
の4種類があり、実際に革裁断に使えそうなのは1トンと2トンです。
他社で5トンで17万円というのがありますが、家庭に置けるような物ではないし、手が出るお値段ではありません
ショールームにボクが行ったときは、0.5トン、1トン、3トンが展示されていて、2トンは在庫はありましたが箱からまだ出されていませんでした。
左が0.5トン、右が1トンです。
0.5トンは小さくてかわいいですが、革にはほぼ使えないだろうということでした。
よほど小さい抜き型なら大丈夫かも?
ちなみに3トンは・・・
デカ過ぎてとても家には置けません
レザーフェアで2トンは見ていたので、2トンか1トンかで悩んだのですが、お店のお姉さんによると、1トンは小さい数センチ程度の抜型しか抜けないとのことでしたので、ボクみたいに10cm以上の物を抜くには2トンじゃないと・・・
ということで、即決で2トンの購入を決めました
ちなみにこのプレス機、本来は革用ではないので、先端にスチール板を取付けないと革を抜型でプレスすることが出来ません。
その専用の板はベルメックスさんではなく高津製作所さんで購入することが出来るとのことでした。
ということで、高津製作所さんへ・・・。
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高津製作所
東京都台東区浅草6-31-10
tel&fax 03-3874-4783
月~金 9:00~18:00
看板が無いので一度通り過ぎてしまったのですが、こちらが玄関です。
中には感じのよいご主人がいらっしゃって、いろいろ説明していただきました。
取付けるスチール板は9cm角と11cm角の2種類があって、1トンには11cm角は無理だろうということでした。
つまり・・・
【1トン】9cm角のみ
【2トン】9cm角か11cm角
ということになります。
やはりなるべく広い方がいいので11cm角を注文しました。
このときは在庫が無かったので、数日後取りに行きました。(500円でレターパック配送)
ちなみにこちらで実際試し抜きもさせてもらいました。
高津さんのオリジナルで長いバーを付けていました。
これぐらいの大きさなら楽に抜けます。
さあ、プレス機もスチール板も手に入り、下に敷くゴム板は協進エルで大きいのを買ってきました。
ただ、床に置いただけではプレスの際に機械が前のめりになってしまうので、購入当初は片足でベース部を踏んで抑えながらプレスしていたのですが、やはりそれは大変・・・
ほんとはちゃんと大きな台に固定して使うのがいちばんなのですが、ウチにそんなスペースなど全くありません
床に置いて使えて、なおかつ移動できるようにしなければなりません。
ちなみにこの機械だけだと、しっかり持てるところがないので、持ち上げるだけでひと苦労
持って移動となると、ボクみたいなデカい男が必死になって数メートル動かせる程度の重さ
女性には持ち上げるのも無理でしょう。引きずるのが精一杯で、床に傷が付きます。
というわけで・・・
「スプレーブースを作ろう」以来のあの企画・・・
チャララッチャッチャッチャ
チャララッチャッチャッチャ
チャララッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャ チャッ チャン チャン
(3分クッキングのテーマです)
本日の献立は「床置きハンドプレス機」です
お正月料理に飽きた方にはぴったりのお料理ですねぇ~先生
それでは材料です
ハンドプレス機(Bellmex社)・・・1台
専用スチール板(高津製作所)・・・1枚
ボルトナット(高津製作所)・・・2本
ゴム板 ・・・・・ 適当
板材(パイン材)600×250×18mm ・・・1枚
底用角材(米栂材)48×24×600mm ・・・ 3本
補助角材( 〃 )60×24×900mm ・・・ 1本
キャスター 高さ45mmぐらいのもの・・・2個
お好みで長いスチールバー(高津製作所)・・・1本
では作ってまいりましょう
まずは底用角材の2本は長さはそのままで、片方の角を斜めにカットしましょう
残りの1本は202mmを2本カットしましょう
補助角材はだいたい350mmぐらいを2本取りましょう
そして板材には穴を開けていきます
φ30mmの穴を2カ所、芯芯で50mm間隔で開け、その穴同士をつなぐようにくり抜きます
プレス機を固定する穴はφ10mmの穴をプレス機の穴に合わせて2カ所あけましょう
以上のカットは自分でやるとピッタリにはいきませんね。
ですので、木材を買ったホームセンタードイトで全てカットしてもらいましょうね〜
そしてその木材をテキトーに組み合わせて、適当に各所の角を面取りして、最後に隠し味でキャスターを付けますと・・・
こういうのができますね〜
キャスターの横の角材を斜めにカットしてるのがポイントです
これで味のベースとなるお出汁・・・いや、台座ができましたねぇ〜
それではこの台座にメイン材料のハンドプレス機を付けていきましょう
高津製作所さんからちょうどいいボルトを手に入れまして、それで穴同士を合わせて固定させますね〜
プレス機のベースの厚みは60mm。(個体差あるかも)
台座の上面に付けた補助角材も60mm。
そう、この補助角材は大きいゴム板を安定して出し入れしやすくするために付けたものなのですね〜
最後にスチール板も取付けて・・・
床置きハンドプレス機の完成でぇーーす
お好みで高津製作所さんで2000円で買える長いハンドルバーを付けるとより楽に革を抜けるでしょう
この床置きハンドプレス機の最大の特徴は・・・
女性でも楽に移動させれるということですね〜
平置きではほんの気持ち浮いてるキャスターが、持ち上げると床と接して動かせるのですね〜
いやぁ〜なんて美味しいごちそうでしょう
さて、明日は寒い冬にあったかい「チーズチゲ鍋」の作り方をお送りします
キュー〇〇(ピーーー)の提供でお送りしました
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は ぁ ? 何 か
突然失礼いたします 通りすがりの者です すみません 以前からずっと疑問で どこを見ても誰も触れてない・・・
御社のそのプレス機 帆布は裁断できるのでしょうか!!!
ショウルームに行ける場所でもなく ずっとモヤモヤ すみません もしよろしければ 教えてください お願いいたします
by たけポン (2013-02-13 16:32)
☆たけポンさま
コメントありがとうございます。
「御社のそのプレス機 帆布は裁断できるのでしょうか!」
すみません、ボクはこのプレス機の会社とは何の関係もないので、確かな事は言えませんが、小さい抜き型(刃型)であれば革と同様に抜けると思います。
ゴム板が使い込まれていたり、刃型の切れ味が悪くなってれば切れにくいとは思いますが・・・。
ただ、布ということは、そんなに小さい抜き型ではないのではないかと想像します。
大きければ大きい程、革と同様、何度もズラしながらプレスして裁断しなければ切れません。
参考になりましたでしょうか?
by 加ト (2013-02-13 19:20)
早速のお返事ありがとうございました また見ず知らずの者に詳しいお返事ありがとうございました 御社=加ト様の事でした 紛らわしい表現すみませんでした
非常に参考になりました
by たけポン (2013-02-16 08:18)
はじめまして。
革の型抜きを調べていてこちらのページにたどり着きました。
私もバッグの一部に抜いた革を使うのですが、金槌だと
限界があり、ハンドプレス機を買おうか...と悩み中です。
ベルマックスさんに問い合わせしてみました。
とても参考になりました(^^
by ryang (2013-04-23 16:05)
☆ryangさま
コメントありがとうございます(^o^)
そうなんですよね、金槌ではほんと小さいのしか抜けないですよね。
このハンドプレス機、ほんと重宝しています。
いままでは1枚抜くだけでも、わざわざクリッカー借りに出掛けてましたから・・・。
by 加ト (2013-04-24 17:42)
はじめてコメントさせていただきます^^
去年のJLAより、こちらのブログを知り
ずっと拝見させていただいております。
ずっと気になっていたハンドプレスが、
こんなにも安価であるなんてすごくびっくりしたのと
とてもよい情報を掲載いただき、とても参考になりました。
まだまだ修行中の身のクラフターですが
少しずつ機材を集めながら作品作りを頑張っています。
今後も更新を楽しみにしています!
by sacchin (2013-08-02 11:20)
☆sacchinさま
いつもブログを見てくださり、ありがとうございまーす(^o^)
AWARDに出展されてたんですね。
HPやブログ見させていただきました。
やはり個人でやってる革作家のいちばんの大きなネックは型抜き機が手に入らない(置く場所無い)ということですよね。
みなさんそこで悩んでいるようで、この日記の反応もかなりあります。
こんな日記ですが参考になればうれしいです(^_^)
これからもよろしくお願いしまーすm(_ _)m
by 加ト (2013-08-05 19:18)
はじめまして、私は革抜き型を趣味で製作しているのですが、ここのプレスのページがとても参考になりました。ありがとうございます^ ^
by pomhand (2015-09-27 21:42)
☆pomhandさま
コメントいただきありがとうございます!
お役に立てて何よりです(^^)
by 加ト (2015-10-01 14:13)
初めまして。
Bellmexでググってたどり着きました。
私、刺繍を始めたばかりで、フェルトのアップリケを切るのに苦労しています。質問させてください。
加トさんの金型の下に敷いてあるゴムは、何という種類のゴムでしょうか?切れ味はいかがでしょうか?
私の知人は、まな板で使われるプラスチックがよく切れるといっていましたが、どうなんでしょうか?
プラスチックだとすぐ切れ味が悪くなって、頻繁に研磨する必要もあるとも言っていました。
もし、加トさんのほうで試されたことがあればご教授ください。
by yoshi (2015-10-19 16:51)
☆yoshiさま
コメントありがとうございます。
お返事遅くなってしまい、申し訳ございませんm(_ _)m
ゴム板ですが、革クラフトで使うものです。
黒くて厚さ2cmぐらいのもので、大きさは何種類かあります。
「革」「ゴム板」で検索すると出てきますよ。
プラスチックだと刃が痛みそうですね。
ただ布やフェルトはゴム板が痛んでくるにつれて、下まで綺麗に抜き切れなくなってくると思います。
そういう場合は下に捨て布か紙などを敷いて抜いてみるといいかもしれませんね。
ご参考ください(^^)
by 加ト (2015-10-27 00:13)
とっても解かり易く、私も 2トンを購入しようと思っています。
全て加トさんと同じ設定にしようと思っています。
ところで、私 とても大工仕事が苦手なのですが、
この立派なキャスタ-付台座を作って頂けないでしょうか?
もし可能なら、お見積りを頂けますと幸いです。
by 秋末 けい子 (2016-10-25 13:08)
☆秋末けい子さま
コメントいただきありがとうございます。
お返事遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
申し訳ありませんが、台座の製作はお受けできない状況でございます。
また、この日記を書いた頃と比べて、他社さんも軽くて裁断しやすい機械もいろいろ出てきているようです。
このベルメックスの2tは男の僕でも持ち運ぶのが大変な重さですので、キャスター台座を付けたとしても大変かと思います。
ご期待に添えず申し訳ありません。
by 加ト (2016-11-18 21:29)
はじめまして。
高津製作所で作ったものはいくらでしたか?
by 加藤高康 (2018-08-13 06:45)
☆加藤高康さま
申し訳ありません、何年も前でしたので、いくらかは覚えておりません。
by 加ト (2018-08-23 09:40)